MSXに参入するメーカーは、MSX2+規格の時点で松下電器・ソニー・三洋電機の3社となり、最後のturboR規格ではついに松下電器の1社のみとなった。
「FS-A1ST」に続いて、1991年12月に発売された「FS-A1GT」がMSX規格としては最後の本体となる。
※「1チップMSX」はキーボードを搭載していないなどの理由でMSX規格を満たしていない。
RAM512KB搭載、MIDIや「MSX-VIEW」を装備するなど、そのスペックはMSXの掉尾を飾るにふさわしいものだが、価格は99,800円と高価であり、アスキーやメーカーの思想と当時のMSXユーザーの理想には明確なズレが生じていた。
『MSX・FAN』最終号で、西和彦氏はこのように語っている。
「僕はこの後も開発を続けてMSXにCD-ROMを付けたかった。そこへ本当は動画像を入れたいと思ったが、MSXに動画像を載せるのは難しいと分かった。そこでturboRのアーキテクチャを固定し1チップ化を図ろうとしたが、この研究に引っ張られてMSXの研究が止まってしまった。」
「MSXはハードのアーキテクチャとソフトが分離していなかったことが長所でもあり短所だったのでしょう。今度は特定のCPUに依存することをしない、ハードスペックをソフトウェア的に定義する、ソフトウェアに依存するものを作りたいと思います。」
MSX1から1チップMSXまで、歴史を一気におさらいするぞ!:MSX30周年 – 週刊アスキー (ascii.jp)
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