初代『メタルギア』はMSX2というパソコン向けのゲームとして開発された。(中略)
『メタルギア』の企画においても、このスペック不足の制約が足かせとなった。当初の企画では「戦争ゲーム」を作るという目的があったのだが、MSX2では、たくさんの敵兵士を一画面に表示することができない。また、銃弾も一画面に4発以上表示できなかった。そこで小島秀夫監督は、映画『大脱走』のような「敵から逃走するゲーム」を企画した。「敵と戦わずして逃げる」というルールならば、敵兵が一度にたくさん表示されなくても、戦争の緊張感を表現できる。技術の制約が敵基地へ潜入するゲーム『メタルギア』を生んだのである。
荒いドット(点の集合)で描かれた『メタルギア』のキャラクターは、今見るととても記号的に見える。だが、すべてを具象的に描かずに、無線による会話シーンなどを用いて大きな流れで物語を見せていく「見せない演出技法」が、『メタルギア』の独特なテイストを作りあげた。プレイヤーの想像力を刺激し、世界を膨らませる。MSX2版から始まったから、今の『メタルギア』の基本形がしっかり築かれたのだ。
「今すぐ、MSXの電源を切れ!」コナミのMSXゲーム伝説4:MSX30周年 – 週刊アスキー (ascii.jp)
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