日電・松下・富士通など15社、パソコンソフトを共用へ--変換装置取りつけに合意。
コンピューターソフト関連業界が明らかにしたところによると、日本電気、松下電器産業、富士通などパーソナルコンピューター十五社がパソコン用ソフトウェアの共用化で合意に達した。
アスキーの呼びかけに米国マイクロソフト社製のBASICを基本言語にしているパソコンメーカー十五社が応じることになったもので、日本電気、松下電器両社を幹事役に最終の詰めを急いでいる。
他機種ソフトウェアとの互換性はパソコンごとに、他機種用ソフトウェアを移植するための自動変換装置を各メーカーが取りつけることで合意された。この装置は価格にして数万円程度のものが予定されているが、データレコーダーで読み込まれたソフトウェアをいったん基本BASICに書き換え、それをさらに各パソコン用BASICに書き換えて稼動できるようにする。
【出典】日経産業新聞 1983年6月11日付より抜粋
MSX規格が発表された5日前に掲載されたこの新聞記事は結果的に誤報となったが、メーカーごとにBASICの仕様が異なっていた当時、パソコンの標準化を求める声が強かったという背景を表している。
その一方で、「統一規格」という発想がいかに普通の人々の想像を超えたものであったかも示していると言えよう。
もっとも、この記事に書かれている「変換装置」というのもなかなか大それた発想ではあるが…。移植作業がいかに大変であったかは、当時BASICを触っていた人であれば容易に理解できるだろう。
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