1年前に異例の休刊予告を行った『MSX・FAN』誌は、1995年8月号をもって予告通り休刊した。表紙には「完」の文字が記された。
後の1年(隔月刊のため計6号)において、MSX・FANが行ってきたことは「MSXユーザーのコミュニティ創出」である。「同人地下工房」のコーナーでは、MSXサークルのサークルカットを掲載したり、MSXユーザーが開催したイベントの取材記事が掲載された。「パソ通天国」では、パソコン通信や当時普及が始まったばかりのインターネットを紹介した。
これらのムーブメントによって、Mファン編集部は読者たちに、休刊後もユーザーの手によってMSXを盛り立てることを促した。この時築かれた礎が、現在もMSXを支え続ける力となっている。
「MSXの父が西和彦氏ならば、MSXの母はMファン編集長の北根紀子氏」だと言われる所以である。
コメント