MSX turboR規格発表 (1990年9月4日)

アスキーは十六ビットのCPU(中央演算処理装置)を搭載したMSXパソコン「MSX turbo R」を開発した。

自社開発したCPU「R800」を使っており、処理速度は従来の八ビットMSXシリーズに比べ平均十倍になったという。またAV(音響・映像)機能を取り入れ、マルチメディア対応を強化している。

アスキーはすでにシステムソフトのライセンスとLSI(大規模集積回路)を家電メーカー数社に販売し始めている。来月にも家電メーカーが十万円以下(ディスプレーは除く)の値段で販売する見通しだ。

(中略)

アスキーでは同製品を「ゲームマシン(娯楽)とワープロ(ビジネス)の狭間を埋める商品」(西和彦社長)と位置づけている。対象とするユーザー層は小、中学生から大学生だという。初年度は五十万台の出荷を予想している。

【出典】日経産業新聞 1990年9月5日付

 

記事では「家電メーカー数社」との記載があるが、実際には松下電器から「FS-A1ST」「FS-A1GT」の2機種が出たのみにとどまった。

そして、turboRは最後のMSX規格となった。(現時点では?)

当初の予定では、R800と新しいVDP(V9978?)を搭載して「MSX3」とする予定だったが、VDPの開発が間に合わなかったという。

後に新しいVDPとして「V9990」が発表されたが、MSXとの互換性は消滅していた。このV9990を搭載した拡張カートリッジがユーザーの手によって開発されたこともある。

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